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ロックの部屋

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マイ・リトル・ラバー

マイ・リトル・ラバーの世界観『PRESENTS』




日本のポップバンドでは、一番か二番に好きです。【マイ・リトル・ラバー】の距離感と世界観にはいつも泣かされてしまいます。

《回廊をぬけて》
♪愛が夜の中で 落ち込んで しょげていてもね
 夢のあなたで 暖かくなれる

 愛は孤独の果て 悲しみの先で待ってる
 ずっと昔から 知ってた気がする

 誰にでもなれるのなら バーチャルの向こうで 私になりたい
 Don’t give up もう一度抱きしめて
 本当の私と 本当のあなたと♪

「回廊をぬけて」は今いる世界が仮想現実の世界であって、向こう側の世界に行けば本当のあなた(私)に出会える。今の自分の姿は本当の姿ではないのだから、何もこちら側で落ち込んでいなくてもいいんだよ。向こう側の世界で愛し合おうよ、という励ましと優しさに満ちています。

《NOW AND THEN》~失われた時を求めて~
♪空の中で夢見た 無数の枝わかれと
 自分の未来を 見たような気がして 目が覚めた

 地球儀をまわしたら いくつもの街角で
 いくつもの君と 出会える予感がした oh

 あの時 あの声 あの場面で
 二人は別れを選んでた

 自分らしく 生きる事など
 何の意味もないような 朝焼け

 そして僕は生まれゆく 時の中で
 悲しさの仕草など 忘れてしまうのだろう
 風を切るような スピードの中で♪

「NOW AND THEN」は悲しくも切ない。自分が選んだ道は結果的には過ちだったかもしれない。あの時あの場所で別の道を選んでいれば、もっと幸せな自分でいられたのかも知れません。自分に相応しいあなた(君)は無限にいるように思えたかつての自分の姿、今は一人取り残された自分がいるだけ。でもこんな想いも時が消し去ってしまうのかも……

《遠い河》
♪雨の粒が 頬を濡らし
 向かい風の中を行く
 人々の列は 絶えることなく
 夢から夢へと続いている

 時は流れて 腕の中に
 新しい命が 息づいている
 まどろむ内に 旅は続き
 多分 全ては漂っていく

 遠い河を 流れている
 別の時間を 想ってみる
 あなたがもしも いないとしても
 ずっとあなたを 想っている♪

「遠い河」はレゲエ調のリズムに漂うように流れる、静かな希望と癒しに満ちあふれた曲。旅(愛・あなた)はまどろみの中で、別の時間、遠い河を漂っている。もしも目の前にいなくてもどこかで私(あなた)を想っているのだと。

マイ・リトル・ラバーはアルバム最後のこの曲で《生きることは不安ですか?見渡せばきっとあなたを助ける優しさがあるはず》と締めています。音楽としては、これ以上ない暖かいメッセージでしょう。

正式メンバーは3人のようですが、ゲストミュージシャンは多彩で使用している楽器も多種で聴き応え充分です。ドリーミィな楽曲がとても良いです。女性ヴォーカルのAKKOさんの声はスリムで若干ハスキーだけど爽やか。

似たような構成のバンドで【EVERY LITTLE THING 】等がいますが、私はマイ・リトル・ラバーの方が好き。TVに出るようなタイプのバンドではないしね。じっくり聴くと泣けますよ。


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